冷えのメカニズムとは?
冬に薄着で外出すれば、当然体が冷たくなります。対して“冷え性”とは、身体の特定の部位(腰部・足部など)のみを冷たく感じて耐えがたい場合をさし、その部位の毛細血管の痙縮による血行障害の結果として冷たく感じることをいいます。
冷え性の兆候として自覚されるのが“冷え体質”です。私たちの体は筋肉によって血行やエネルギー代謝を促して体を温め、脂肪によって保温する働きがあります。そのため、筋肉量や脂肪量の指標となるBMIの値が低い人(痩せ気味の人)は、一般的に冷えやすい傾向にあります。
冷え性の発生原因は、自律神経失調による血管運動性神経障害であるといわれています
通常は寒くなると血管をキュッと縮めて体温が逃げるのを防ぐのですが、精神的な緊張状態やストレスで自律神経が乱れると、常に戦闘モードである交感神経が優位な状態に。すると、気温に関係なく血管が収縮している時間が長くなり、毛細血管まで血液が行き渡らなくなるのです。
休憩時間なのに仕事のことが頭から離れない、帰宅後も心身ともに休まらない、そんな人はオンとオフをきちんと切り替える意識が必要に。 また、対人関係の悩みもストレスの一因に。自分の意見を言うことが苦手な人はNOを言えるようにする、一人でがんばり過ぎてしまう人はたまには他人に頼ってみるなど、ストレスの軽減をはかりましょう。
貧血や低血圧も冷えの原因に
貧血や低血圧なども、冷えの原因として挙げられます。貧血とは、血液中の赤血球が足りない状態のこと。赤血球はエネルギーを生み出して体を温めるために必要な酸素を運んでいるため、不足すると冷えの原因に。また、低血圧は血液を運ぶポンプの力が弱い状態。血液を体の隅々までうまく運ぶことができなくなるので、冷えを感じやすくなります。
運動や入浴習慣の見直しで冷えを改善
まず、前述した原因に心当たりがある場合はそこを見直してみましょう。加えて筋トレなどの無酸素運動も効果的。筋肉量を増やすことにより、基礎代謝はもちろん、食事誘発性熱生産の割合や血圧を一時的に上げることが可能に。一方、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、冷えの原因となるストレスの緩和や自律神経を整えるためにおすすめです。また入浴をシャワーだけで済ませていた方が湯船に浸かるようになって、冷えが改善されたという例も。