90歳の毎日覚書

孫に教わりながら日々挑戦、健康などに役立つ話を覚え書きしていきたいです

更年期 夜中のトイレ対策に!今日からできる3つの習慣

女性に多い頻尿の悩み。頻尿になると、外出や睡眠など、日常生活にも影響が出てきてしまいます。とはいえ頻尿は、対策次第で改善が期待できるそう。

 

 

・更年期女性の多くが悩む頻尿

すぐにトイレに行きたくなる、夜中に何度もトイレで目が覚める……。頻尿になると、外出が不安になるのはもちろんのこと、日常生活にも支障が出てしまいますよね。

一般的に、1日に8回以上または寝ている間に1回以上排尿があれば頻尿とされますが、8回以下であっても、自分でトイレが多いと感じるなら頻尿の可能性があります。

 

こうした尿の悩みを抱えている女性は多く、山田養蜂場の調査では、50~60代女性の4人に1人が尿トラブルを抱えていると報告されています。

中でも、夜中にトイレのために起きてしまう夜間頻尿に悩む人はとても多く、日本排尿機能学会の調査では、50代の約6割、60代では約8割が夜間頻尿の症状があると回答しています。

 

頻尿の原因は、加齢による腎臓や膀胱の機能低下、冷え、出産経験、ストレス、水分の過剰摂取などさまざまですが、女性ホルモンの分泌量が減る更年期からは骨盤底筋のゆるみなどによる症状も増え始めることがわかっています。

 

とはいえ、頻尿は対策をすれば改善される可能性が高いと言われています。早めの対策で、トイレの不安がない毎日を取り戻しましょう。

 

 

では、頻尿の対策では、具体的にどういったことを取り入れるとよいのでしょうか。石原さんに、頻尿対策につながる3つの習慣を教えてもらいました。

 

■習慣1:コーヒーなど利尿作用のある飲み物を控える

アルコールやカフェインを含む飲み物を取りすぎないように気をつけましょう。 アルコールは抗利尿ホルモンの分泌を抑制し、排尿を促します。

また、カフェインは腎臓の水分吸収を抑え、水分を排出しやすくするため、頻尿を誘発します。 外出の予定があるなど、トイレの近さが気になる場面では控えた方が安心です。

 

■習慣2:お腹まわりを温める

お腹を温めると膀胱の働きがよくなって、尿をしっかりと溜めやすくなります。腹巻きなどを活用して、お腹を温めることを心がけましょう。

また、入浴もお腹を温めるのに効果的。お風呂で下半身の血流がよくなると、湯上りから寝るまでの間の尿量が増えるので、夜間頻尿対策にもつながります。

 

■習慣3:下半身の運動を習慣に

下半身に筋肉をつければ尿道の筋肉がきちんと働いて、膀胱に尿を溜められるようになります。 下半身を意識した運動であれば、取り入れやすいもので大丈夫。スクワットなどでもいいですし、肛門や膣を締めたりゆるめたりする簡単な運動でも、泌尿器を支える骨盤底筋群を鍛えられます。

中でも特におすすめなのは、夕方のウォーキング。夕方に下半身を動かせば、腎臓の血流がよくなって、寝るまでの間にしっかりと尿を出せるようになります。1日20~30分の夕方ウォーキングを習慣化すれば、夜間頻尿改善が期待できます。 

 

 

 

私は頻尿などの悩みは感じたことはないのですが、足腰の弱り具合からトイレへの移動に難儀しておりましてトイレの回数を減らせるのであればこういった試みをしてみるのもよいかと思っております。

 

 

 

 

 

「腰痛の8割は原因不明」は古い…最新報告は「8割は診断可能」

【ひどい腰痛も8割治る】#2

 腰痛には、原因・治療法が確立されているものと、そうではないものがあります。原因不明な腰痛を「非特異的腰痛」と呼び、これまでは全腰痛の85%を占めるというのが医療現場での半ば常識でした。

 

 ところが最近は診断技術の飛躍的な進歩もあり、状況が変わってきています。最新の報告では、非特異的腰痛は22%。つまり多くの腰痛は診断可能なわけですが、「腰痛は原因がわからないから」という思い込みから抜けられていない医師も、残念ながら少なくありません。

 

 昨年の秋、そんな腰痛の原因が不明のまま複数の整形外科を受診した末に当院を受診された、60歳代の男性がいらっしゃいました。

「40年前に柔道をしていたとき、腰に違和感がありました。ぎっくり腰を発症したこともあります。今は柔道はやめているのですが、腰の不調があるのでコルセットを着けて日中は過ごしています。最近、腰痛が悪化し、別の整形外科を受診したのですが、『仕事で座っている時間が長いと腰痛が起こるのも仕方ない』『痛みが治るまでは安静に』と言われただけで、湿布だけを渡されました」

 

 一般的な街にたくさんある整形外科のクリニックには、MRIがなくレントゲンによる検査しかできないことが多いのですが、このレントゲン撮影では骨は映りますが、椎間板などといった、より詳細な部位を見ることができません。そのため患部を見落としたわけではないのですが、判断ができないということが少なくないのです。この方の場合もそんな理由で患部の特定ができなかったようです。

 

 

 そこで私は画像検査を実施すると、椎間板に変性があり、椎間板ヘルニアが認められたことから当院の治療を実施し、術後のリハビリとして水中ウオーキングを始めてもらいました。

 

 この運動・ストレッチは術後の患者さんには必ず指示していますが、特に水中での運動は、腰や足の痛みやしびれで歩くことが困難な方には、転倒などのリスクがなく、それに空気中と比較すると水の抵抗があるため適度な筋肉への負荷がかかり、より効果が期待できます。

 

 こうして1週間後には足首の痛みが軽減し、3カ月後には長時間立っていると腰が重くなるものの、痛みはない程度になりました。引き続き水中ウオーキングなどのリハビリを自主的に行ってもらうようにし、現在はコルセットなしで生活ができるレベルにまで改善しています。

 

「腰痛の85%は原因不明」を前提とした診察では、原因の見逃しにつながります。腰痛の隠れた原因を見つけるには、問診と画像検査は必須。生活習慣や姿勢の癖なども確認しなければなりません。そういったことが行われず、ただ「腰痛ですね。安静に」と対応する医療機関であれば、別のところを受診した方がいいかもしれません。

 

 

 

同居してくれている孫も軽い腰痛を持っていると聞いておりますが、病院でみてもらっていない様子です

記事にもあるように医学の進歩の恩恵があるのですから、腰痛に限らず色々な悩みをお持ちの方はものぐさがらずに一度お医者様に相談してみるというのは大事だと思います。

 

急激に症状悪化…「人食いバクテリア」患者報告が過去最多 高齢者は特に注意

足の壊死(えし)など短時間で急速な状態悪化を招き、「人食いバクテリア」とも呼ばれる「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の患者報告が昨年、過去最多となった。今年に入ってからも、多数の患者が確認されており、警戒が高まっている。

 

 

国立感染症研究所の公表データによると、劇症型溶血性レンサ球菌感染症の患者は平成26年に268人となって以降、増加が続き、令和元年には800人を超えた。

 

感染経路は飛沫(ひまつ)や接触とされ、通常は体内に入っても咽頭炎などを患う程度で済む。だがまれに、血液などに菌が侵入して重篤な事態を招くのが劇症型だ。60代以上の大人に多いとされる。

 

国内では現在、A群溶血性レンサ球菌による子供の咽頭炎が増加。欧州で流行が報告されている病原性や感染力の高いタイプの株も確認されている状況にある。

 

 

■朝は「少し腫れているだけ」だったのが…

劇症型の初期症状は発熱や悪寒、手足の痛みや腫れなど。ただ、短時間で細菌が増殖して急激な状態悪化に見舞われる。筋肉周辺組織の壊死や多臓器不全などで発症後数十時間で死に至ることもあり、致死率は約3割とされる。

 

東京女子医科大病院の菊池賢教授(感染症科)は「例えば、朝までは、『先が少し腫れている程度』だった足がみるみるうちに真っ黒になっていき、昼ごろには膝ぐらいまで壊死が進んでしまうこともある」と、状態悪化の急速さを説明。

 

こうした状態で病院搬送されてきた患者の場合、抗菌薬の投与だけでは救命が間に合わず「すぐに股関節当たりから足を切断しなければ、命を助けられないとの緊迫感の中で、対応を進める必要が出てくる」とも明かす。

 

 

・予防に向け、できることはあるのか。

 

劇症型の患者の多くは高齢者で、転倒して足を打撲した後に容体急変に見舞われるなど「足の傷口」からの感染が疑われるケースが目立つ。

傷口がある状態で屋外を素足で歩き回れば、傷口から細菌が入り込む恐れが高まる。靴擦れや水虫といった足の状態もリスクになり得るという。

ただ患者側にとっては判断の難しさもありそうだ。微熱、軽い足の痛みなどの症状段階で医療機関に行くべきかを悩む人もいるかもしれないが、菊池氏は「腫れが増して高熱が出るなど強い症状があれば迷うことなく、入院設備の整った病院を受診してほしい」と呼びかけている。

 

 

 

恐ろしい見出しだったので、内容を確認いたしましたがとにかく気を付ける、些細なことであっても家族やお医者様に相談することが大事であると思います

先日も畳の上ではありましたが転びかけることがございましたので、外で転んで擦り傷など負わぬよういっそう気を付けてゆきます

 

皮膚がんの原因になることも...日本人が陥る「温水洗浄便座への依存」

出残り便がある人は、温水洗浄便座の水で肛門を刺激して硬くなった便を出そうとしたり、下着を汚さないように必要以上におしりを洗ったりしています。

 

そして、多くの日本人が、おしりに当たる水の刺激に慣れて、温水洗浄便座がないトイレでは排便できない「温水洗浄便座依存症」になっています。

 

 

温水洗浄便座で便汁を作っていませんか?

 

 

 

 

 

 

 

我が家でも温水洗浄便座のお手洗いを使いだして20年以上たつと思いますが、確かに今ではなくてはならないほど便利に感じております

ただ記事にあるような、適切に使いこなすことの難しさというのもあるのだと覚えておかねばなりません

 

 

 

「薄い赤の文字が読めない」「コンロの青い炎がよく見えない」その症状は白内障かも

白内障は誰にでも起こる「老化現象」

 

白内障は、年齢を重ねれば誰でもなる可能性がある病気です。しかし、白内障を引き起こす原因と予防法について知ることで、発症をずっと遅らせることが可能です。

 

そもそも目の中のレンズである水晶体は、細胞としては爪や髪の毛と同じ系統(内胚葉、中胚葉、外胚葉の3種のうちの外胚葉系)なので、生涯成長を続けます。

幼児の頃の水晶体の直径は6~7ミリ程度ですが、80歳代などでは9~10ミリほどに直径が大きくなります。

 

水晶体上皮細胞と水晶体線維細胞によりできる水晶体は、年輪のように重なって層を増やし、重なっていくことで圧がかかるので、最初にできた中央の核部分は、周りから押さえ続けられ、硬くなり、色味も黄味がかっていきます。この密度が濃く、色味が黄色くなり硬くなったものを「核白内障」といいます。

 

この変化は、年齢を重ねると誰にでも起こる、老化と言えます。

白内障は進行するとより硬くなり、水晶体の核の色が黄色から褐色へと色味が変化します。また、この濁りのために視力が落ち、さらには褐色になると反対色である青や紫の色が吸収され、青や紫色を黒色と誤認するようになります。

派手な紫色のズボンを黒色だと思ってはいていたとか、左足に黒色、右足に濃紺色の靴下を誤ってはいていた、といったことが起こるようになります。

 

 

◆0.6以下になったら手術適応

白内障にすでになってしまった目は、手術で治します。現代では、それしか方法がないのです。とはいえ、この手術と多焦点レンズが劇的に進歩していますので、手術後には裸眼でよく見える目になります。

 

白内障の手術とは、簡単にいえば、レンズの役目を果たしてきた水晶体が濁って見えなくなったので、手術で新しい人工レンズに入れ替え、視機能を回復させる手術です。

手術を受けるにあたっては、まず目の機能について検査をします。最初に行うのは視機能の代表、「視力」の検査です。

 

どの程度、視力が悪化したら白内障手術のタイミングかというのは、一人ひとりの希望が違うので一概には言えないものの、1つには、「運転免許の視力検査に通るかどうか」が判断基準になります。

 

 

◆「コンロの青い火」が見えにくくなったらすぐに手術を

パイロットなど職業によっては、視力が1.0あっても「白内障で光が乱反射し、見えにくいので手術してほしい」といった希望もあります。

 

また、一般的には検査をしませんが、白内障では「色覚異常」も起きるため、色覚表で色覚障害の検査が必要な場合もあります。

たとえば紺色を黒色と勘違いする。銀行の説明文の薄い赤の文字が見えない。紫色を黒っぽい色と思っていた。ガスコンロの青い炎がよく見えない。

 

こういった症状があるときはできるだけ早く白内障手術をしたほうがよいので、症状があったら主治医に必ず伝えてください。

 

 

 

年を召して目が霞むと思うようになって久しいですが、仮に白内障を患っていたとしてもこの年齢では手術に耐えられないように思います

ですのでこの体といかに折り合いをつけて付き合っていくかが肝要なのだと思っております

 

健康保険で「遺伝子検査」が受けられる。数百ものがん遺伝子を一度に調べられる「最新がん検査」

昨今、がんにかかる人は増加しているが、死亡率は年々下がり続けているのをご存じだろうか――。「がん治療」の進化が著しいことが大きな要因の一つだ。

一方で、患者側の最新医療に関する知識がアップデートされていないばかりに、手遅れになってしまうケースも残念ながら少なくないという。

 

 

「薬が効くかどうか」を検査で調べられる

 遺伝子の検査は健康保険で受けられる場合と、自費で行う場合があります。

現在、健康保険で検査できる遺伝子は、その遺伝子の異常に対する分子標的薬が保険収載されている場合に限られています。

言い換えれば、ある分子標的薬が効くかどうかを診断するために遺伝子の異常を調べる場合にだけ、健康保険で遺伝子の検査をすることができるのです。

 

 このような遺伝子検査に用いる診断キットを、コンパニオン診断薬と呼びます。コンパニオン診断薬で、ある遺伝子に異常があるかどうかを調べて異常があった場合、その遺伝子異常に合った分子標的薬を使った治療が標準治療となります

 

 

薬が効かなくなる「薬剤耐性」問題

 一方、コンパニオン診断薬で該当する遺伝子異常がないとなった場合は、ほかの治療法を検討することになります。

 残念ながら、分子標的薬を長く使っていると、だんだん効かなくなってくることがあります。これをがんの薬剤耐性といいます。

 薬剤耐性が起こるのは、がんが薬の攻撃から逃がれるために、遺伝子を変化させるからです。たとえば分子標的薬は、異常を起こしている遺伝子からできるタンパク質の「ポケット」に結合して、そのタンパク質の働きを抑えるものが多いのですが、がんは遺伝子を変化させてポケットの形を変えてしまいます。そうなると分子標的薬は結合できなくなり、薬が効かなくなってしまうというわけです。

 

 

 

がんに関係する遺伝子は200~300個ある

 現在の遺伝子検査は、がんの発生に関わる遺伝子異常を調べるものがほとんどですが、がんの進行や転移などに関わる遺伝子異常も知られてきており、がんに関係する遺伝子は200~300個あると考えられています。

一人ひとりのがんは、これらの遺伝子のタイプがみな異なり、「個性」をもっています。がんの個性がわかれば、よりよい治療につながる可能性があるため、がんに関わる遺伝子を一度に調べて、がんの個性を明らかにしようという動きが始まっています。

そのために使われるのが、がん遺伝子パネル検査です。

 

数十から数百個もの遺伝子を一度に調べる

コンパニオン診断薬が一つか二つの遺伝子を調べるのに対し、がん遺伝子パネル検査では、がんに関係する数十から数百個もの遺伝子を一度に調べる

 

がん遺伝子パネル検査システムは、2023年11月現在、5つの製品が保険適用となっています。そのうちの一つは、国立がん研究センターが長年にわたって開発してきたものです。

コンパニオン診断薬が一つか二つの遺伝子を調べるのに対し、がん遺伝子パネル検査では、がんに関係する数十から数百個もの遺伝子を一度に調べます。

 

ただし、コンパニオン診断薬とは異なり、この検査で調べる遺伝子のなかには、分子標的薬が存在するものも、存在しないものも含まれています。そして、この検査を保険で受けられるのは、標準治療をすべて行って、これ以上、治療の方法がないとなった患者さんに限られています。

 

75歳以上は要注意!冬の脳梗塞を防ぐための「起床の作法」

脳梗塞は季節を問わず1年中、気をつけるべき病気だが、75歳超の人はとくに冬場は注意したい。

 

 国立循環器研究センターの研究チームが2015年までの5年間に同センターで入院治療を受けた急性脳梗塞の患者約3000人を対象した研究結果が2018年に発表されている。冬(12月~2月)、春(3月~5月)、夏(6月~8月)、秋(9月~11月)の季節別の入院件数は、秋が若干少なかったものの大差はなかった。しかし、75歳超、重症度、心疾患に原因を持つ心原性脳梗塞脳梗塞は、いずれも冬に多かった。

 

「脳の血管が破れる脳出血、脳の血管のこぶが破裂するくも膜下出血、それに脳の動脈が詰まる脳梗塞を『脳卒中』と言います。昔から冬場は脳出血くも膜下出血が多いことが知られています。冬場は寒い空気に触れると血管が収縮して血圧が上がります。高血圧の状態が続くと動脈効果が進みますし、血圧が上がれば脳の血管が破れたり、血管のこぶが破裂しやすくなるからです。一般的に脳梗塞は大量の汗で血液から水分が抜けやすい夏場に多いとされますが、身体活動が衰えて血流が遅い高齢者は、冬の脳梗塞が目立ちます」

 

 脳梗塞は、脳へ血液を送る血管が詰まるために起こる病気で、高血圧や高脂血症、糖尿病、多血症、心臓病の持病や喫煙習慣のある人は発症リスクが高いことが知られている。

「その中でも最近多いのが、心臓が原因の脳梗塞です。心房細動と呼ばれる心臓の震えによる不整脈で血液の塊ができて、それが脳に飛んで脳の血管を詰まらせるのです」

 

 脳梗塞は睡眠中や起床から2時間以内の発症が多いことが知られている。

脳梗塞が睡眠中や朝に多い原因は、睡眠中は血圧が下がって血液の流れが悪くなっていること、血液中の水分が少ないこと、朝の起床時に交感神経が活発になって急に血圧が上がり、血流が早くなることなどが挙げられます」

 

 脳梗塞の場合、発症後すぐであれば、脳の血管に詰まった血の塊を溶かす薬(t-PA)を投与することで救命率が上がり、後遺症が軽くなる可能性が高まる。ただし、t-PAは発症後4~5時間以内に行う治療法。起床直後、にっこり笑おうとしても片方の顔が下がったり、口角が下がったり、両手を挙げた後に片方の手が下がってきたり、ろれつが回らなかったり、言葉がなかなか出てこなかったりした場合は、脳梗塞を疑うべきだ。

 

「日常的に、原因不明の頭痛や肩凝りが突然発症する、めまいや耳鳴り、得体の知れないしびれや震えなどの症状が続く、歩き方がフラつき、障害物がないのにつまずく、周囲から字が汚くなったと言われる、簡単な計算がとっさにできない、物忘れが多い、飲み物や食べ物が飲みにくくなった、痰がからみむせることが多い、声がうまく出ないと感じるなどの症状があるときは、血管がダメージを受けている可能性があります。一度、医療機関で精密検査を受けるといいでしょう」

 

 

 

■ヒートショックは寝室でも起こる

 とはいえ、これらはすでに脳梗塞を起こしているか、起こしかけている場合での対処法だ。起こさないためにはどうしたらいいのか?

「まずは、脳梗塞のリスクとなる高血圧や高脂血症、糖尿病や心臓病などの病気をしっかり治療することです。食事や運動、喫煙や飲酒などの生活習慣を改善することも必要です。そのうえで、起床時の習慣を改めましょう。起きてすぐに布団から出るのではなく、布団の中で軽く伸びやストレッチをするなどして、体を動かした後にゆっくりと起き上がるのが良いでしょう。布団の中の温度は人が入ることで30度程度まで上がるといわれていますが、冬の朝の寝室の室温は5度を下回ることも珍しくありません。脳梗塞は急激な温度差があると発症しやすいので、起きたばかりの体を温めることも重要です」

 

 よく、冬の入浴時のヒートショック(急激な温度変化で血圧や心拍数が変化し、血管や心臓に疾患が生じること)が話題になるが、寝室でも急激な温度差は注意が必要だと加藤院長は言う。

 

「布団に入ったままリモコンでエアコンのスイッチを入れて部屋の温度を上げるのも良いでしょう。また、脱水を防ぐために寝る前に水を飲んでおくことも大切です」

 

 厚労省発表の2022年「人口動態統計(確定数)の概況」によると、2022年の年間死因別死亡総数のうち、脳血管疾患は10万7481人(全体の6.9%)で、全死因の上位4番目。内訳は「脳梗塞」が最も多く5万9363人(男性2万8824人、女性3万539人)だった。脳梗塞で命を失わないよう、冬場は起床時の作法に気をつけたい。