90歳の毎日覚書

孫に教わりながら日々挑戦、健康などに役立つ話を覚え書きしていきたいです

アトピー性皮膚炎を悪化させない、しっかり治す…「見た目が良くなった=完治」ではない

皮膚が乾燥する冬に悪化しやすいアトピー性皮膚炎。アトピー性皮膚炎は2018年に分子標的薬の新薬が登場して以降、効果の高い薬が次々に登場している。一方、小児に使える薬は限られていたが、昨年9月には、分子標的薬のひとつ、「デュピルマブ」が生後6カ月から使えるようになった。

 

 

アトピー性皮膚炎の分子標的薬とは、炎症の原因物質に働きかけ、皮疹やかゆみを抑える薬だ。従来薬では改善が見られなかったが、分子標的薬によってコントロールできるようになった患者は珍しくない。現在、小児に使える分子標的薬は〈囲み〉の通りで、今後も増える可能性がある。

 ただ、そういった薬の存在を知っている人は多くないとも考えられる。製薬会社「サノフィ」が行った調査では、中等症以上のアトピー性皮膚炎小児患者の保護者の約9割が、小児でも使える分子標的薬があることを知らないとの結果だった。

 

アトピー性皮膚炎の治療について、正しく認識されていないことがまだまだ多い」

 こう指摘するのは、「ユアクリニック秋葉原」院長で、小児アレルギーの治療に詳しい杉原桂医師(小児科専門医)。アトピー性皮膚炎には冒頭の新薬が必要な患者もいるが、従来薬でも十分に治療が可能なのに、間違った認識によってこじらせている患者がかなりいるという。そもそも乳幼児では、受診段階ではアトピー性皮膚炎ではない場合もある。

「これからの季節では、アトピー性皮膚炎でなくても皮膚乾燥を放置したために、かゆみが生じて湿疹になっているケースもよく見られます」(杉原医師=以下同)

 アトピー性皮膚炎は、乳幼児では最初、頬、額、頭の露出部が乾燥し、赤くなる。肌が乾燥すると皮膚のバリアー機能が損なわれ、異物が入りやすくなる。すると、免疫反応が過剰になって、かゆみがひどくなり、かきむしり、やがて皮疹が顔面全体、そして体へと広がっていく。アトピー性皮膚炎から、喘息、鼻炎といったほかのアレルギー疾患へと連鎖していくこともわかっている。

 

 つまり、正しい知識を持って乳幼児の湿疹対策、アトピー性皮膚炎の初期治療をしっかりすることが肝心なのだ。

 

 

■改善しないケースの共通点

「乳幼児の湿疹やアトピー性皮膚炎で症状が良くならないという場合には共通点があります。多いのは、ステロイド軟膏の間違った使い方。使用量が少ない、使用期間が短い、少し良くなったら中止するということがよく見られます」

 

 ステロイド軟膏は、保護者の人さし指の先から第1関節までに乗せた薬の量を「FTU(フィンガー・チップ・ユニット)=1単位」とし、年齢、場所に応じて何単位塗るか決められている。ステロイド軟膏は5段階の強度があり、塗る場所で適切な強度が異なる。

 

 これらの薬は、使用期間が短かったり、少し良くなったからと中止したりすると、皮膚の炎症が悪化。薬を強いものにしなければならなくなっていく。「見た目が良くなった=炎症が治った」ではない。炎症を完全に鎮めるためには、自己判断は禁物だ。

 

「現在のアトピー性皮膚炎の治療はプロアクティブ療法といって、最初からステロイド軟膏を積極的に使い、炎症を鎮めます。その後に保湿外用薬によるスキンケアに加え、ステロイド軟膏やタクロリムス外用薬を週2回など定期的に塗布し、寛解状態を維持します。最終的には、症状はあっても日常生活に支障がない程度に軽く、薬物療法もあまり必要としない、たとえ悪化しても持続しないところを目指します」

 

 保湿対策が不十分なことも、共通点として挙げられる。シャンプーや石鹸の多用は、皮脂ばかりか、アトピー性皮膚炎の悪化を抑える皮膚の常在菌も洗い流してしまう。石鹸はよく泡立ててから肌をこすらないようにして使い、入浴後は保湿剤を使うことを心がけたい。保湿剤の量の目安は、前述のFTU1単位が、手のひらの面積2枚分。ティッシュが皮膚に付く程度、と覚えるのもいい(保湿剤の種類で異なる場合もある)。

 

 

 

 

 

孫の一人も皮膚炎に悩んでいた時期があったようですが、医療の進歩で今はそういった症状に困ることはないようです

お医者様の指導をしっかりと受けて、それを守っていくことでいろいろな病気から身を守っていける時代になったのだと嬉しく思います