睡眠は、人生の3分の1を占めています。そして、脳の働きにとって、とても重要な役割を果たしています。もちろん、認知症との関連も重要です。
記憶学習のためには適切な「長さ」と「深さ」の睡眠が大切
睡眠には、日中に経験したこと、学んだことを、情報として保存し、整理する役割があると言われています。子どもの頃、睡眠時間がとても長いのは、発達が盛んで、覚えることがたくさんあるので、特に深い睡眠を適切な長さで取ることが必要だからです。
一方、老化に伴って、睡眠時間は短くなり、深い睡眠を取りづらくなるので、記憶学習にも影響があると言われています。 成人の睡眠時間は、個人差はありますが、翌日の頭の働きが良好で、日中に眠気を感じない程度の睡眠時間が適切でしょう。
高齢者では、成人期に比べて1時間少ない程度が適切と言われています。 睡眠時間が短くなる、つまり睡眠負債がたまってくると、生活習慣病や脳卒中、がんなどのリスクだけでなく、認知症のリスクも高くなります。
睡眠は「毎日の脳の掃除」と考え、睡眠障害を放置しない
脳には、「グリンパティックシステム」と呼ばれる仕組みがあり、深い睡眠中に、脳の老廃物の除去を行っています。アルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドの除去も行われています。
人生100年間脳を使うと考えると、毎日良好な深い睡眠によって、脳の中を掃除しないと、老廃物だらけになってしまう、とイメージしてみてください。睡眠障害は、認知症のリスクであるとも言われていますので、眠れないことを放置するのはよくありません。