何をどう、誰と食べるか、夕食への向き合い方は人それぞれ。だが食べる時間帯は、実は全体的な健康に大きな影響を及ぼす。
遅い時間に夕食を食べるとどうなる?
基本的には、その人の代謝作用によって異なる。エネルギー値には個人差がある一方、代謝は通常、1日の終わりに近づくとスピードが遅くなる。
「最も活動的で、肉体的にも精神的にもさまざまな動きを行っている日中が、最も代謝が活発。夜になるとよりゆったりした活動になり、寝る準備をするのに伴い、代謝は徐々に遅くなっていきます」とドゥシャテレ。
夕食を遅く食べるほど、体が食物を代謝する働きが鈍る。それは明らかに体に影響を及ぼす。
ハーバード大学医学大学院が2022年に行った研究によると、夕食の時間が遅いと体内で食欲ホルモンの規制が効かなくなり、十分に食事してもまだ空腹を感じるという。
また、1日の終わりの代謝状態により、体がカロリーを燃焼するのがより遅くなることも発見。さらに、早い時間に食べた時と比べて、そのカロリーはより脂肪蓄積に使われると考えられている。
「常に就寝時間に近い時間にたっぷり食べていると、代謝のアンバランスを起こし、体重を管理するのが難しくなります。体はカロリーがエネルギーとして使われないと、カロリーを蓄積する可能性が高くなるからです」とドゥシャテレ。
遅い時間の夕食は、消化の域を超え、睡眠の質にも重大な影響を及ぼす。
例えば、糖分や炭水化物が多い食品を食べると、睡眠中の血糖値やエネルギー値が変化し、眠ろうとしても目がさえてしまう。
胃酸が逆流しやすい人や、特定の食品を消化しにくい人は、食材によって一晩中、胃が苦しくなり、8時間睡眠をとるのが難しくなる。
「満腹状態や、特定の食品を食べて胃に不快感のある状態でベッドに入ると、入眠や眠り続けるのが難しくなり、断片的で質の悪い睡眠しかとれなくなります」
夕食に最適な時間は?
睡眠スケジュールによって個人差はあるが、遅くとも寝る3時間前には夕食を終えることをドゥシャテレは勧める。寝る前に食べたものを体が完全に消化していると、体内システムは消化ではなく回復のために夜の時間を使うことができる。