◆睡眠で大切なのは長さよりも深さ
「若い頃は8時間眠り続けることができたのに、今は長く眠れない」「なかなか寝つけない」「夜中に目が覚めてしまう」といった睡眠の悩みを抱える方は多いでしょう。そこに夏の暑さと高い湿度が加わると、さらに睡眠の質が悪くなり、疲れがとれなくなるように。
睡眠を正しくとれていれば、夏に感じやすい体のだるさは、その日のうちに解消できるもの。睡眠は単に休息の時間ではなく、体と脳のメンテナンスを行う時間だからです。
では、質のよい睡眠とは何か。中高年の人にとって特に大切なのは、長さよりも深く眠ること。主に体のメンテナンスに関わる成長ホルモンは、深い睡眠のときに分泌されるものだからです。
睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠の2種類があり、約90分のサイクルで繰り返されています。特に最初と2番目のサイクルのときに成長ホルモンが大量に出るため、寝始めの3時間に熟睡することが重要なのです。ただノンレム睡眠には深さに段階があり、歳をとるほどに深い段階の眠りを得られにくくなってしまいます。
たとえると、眠りはスキーの滑走のようなもの。高い所から滑ると、勢いに乗って速く長く滑ることができますが、低い位置からだと勢いがつかず、ちょっとしたコブがあるとすぐに止まってしまいます。前者が深く長く眠れる若者、後者が浅い眠りですぐ目が覚める中高年と言えるでしょう。加えて、夜中に尿意で起きることが増えるのも特徴です。
◆死亡率が一番低い層の睡眠時間は7時間
できる限り深く眠って、成長ホルモンの分泌を増やす。そのためには、次のような睡眠習慣に気をつけましょう。
まず睡眠の長さ。布団の中にいるのは7時間を目安とし、それ以上はダラダラ寝ないように心がけてください。40歳から79歳の男女を対象に、睡眠時間の長さと10年後の死亡率を調べた研究によると、死亡率が一番低い層の睡眠時間は7時間で、睡眠時間が長くなるにつれて死亡率が高くなることがわかっています。
次に眠る時間帯。日本ではとかく早寝早起きが推奨されますが、睡眠の質を高める眠りを誘うホルモン「メラトニン」と、目覚めのホルモン「コルチゾール」をうまく活用できる時間帯があるのです。
具体的には、メラトニンが多く分泌されるのは0時から6時。この間が、もっとも眠りやすい時間帯です。一方、コルチゾールは夜中の3時頃から大量に出始め、朝5時半から8時半にピークとなります。もっとも起きやすいのがこの時間帯。2つのホルモンの分泌を考えると、夜11時半頃から朝6時半頃まで眠るのが最適といえるでしょう。
庭の手入れなどで体を動かすとその日の睡眠で夜中に目が覚めることが少ないように感じております
それでも記事のように7時間睡眠はどうしても目が覚めてしまうので難しいと感じます