血縁に乳がんの人がいる場合は注意
・「乳がんは遺伝することがある」というのは、本当なのですか?
島田先生: そうですね。身内に乳がんの発症がある場合は、乳がんの発症のリスクは確実に上がります。
・身内に乳がんの人がいるというのは、どのくらいの近さまで気をつけた方がいいのでしょうか?
島田先生: 第1度近親者(母、姉妹、子)はもちろん、第2度近親者(祖母、孫、おば、姪)に乳がんの人がいる場合は、乳がんの発症リスクが1.3~2倍になると言われています。遺伝的に近いほど、また人数が多いほどリスクは増加するため注意が必要です。
・そういう人は、どのように注意をしたらいいのでしょうか?
島田先生: 遺伝子の異常により乳がんになる人は、発症年齢が通常より若いのも特徴です。そのため、自治体などの検診年齢を待つのではなく、身内で乳がんになった方の発症年齢マイナス10歳くらいの年齢になったら、乳腺クリニックなどでかかりつけ医を持ち、リスクに合わせた定期的な乳がんの検診を受けることが大切です。
・ 今までのケースに当てはまる場合、どれくらいの頻度で検査をおこなえばよいのでしょうか?
島田先生: 基本的に通常のリスクの方には、年に1回の検査をおすすめしています。しかし、BRCA遺伝子に異常がある方は、25歳から開始し、半年~1年に1回の画像診断による検診を推奨します。検査方法には特に25~30歳の若年には検査による被ばくなどを避けるためMRI検査もおこなわれます。体の負担にならない方法を、年齢や乳房のコンディションにあった検診の計画を乳腺科の先生と相談しながら進めるとよいでしょう。
・ 予防のために、なにかできることはありますか?
島田先生: 喫煙は乳がんに限らず、がんになるリスクを上げるので推奨できません。アルコールも過度の飲み過ぎは、体に悪影響です。毎日飲んだり、過度な量を飲んだりすることは控えましょう。
肥満もホルモンバランスに影響を与えるため、閉経後は特に注意が必要です。また、週に1時間以上の運動習慣は、乳がん発症のリスクが下がることが分かってきました。肥満予防にもいいと思いますので気持ちよく続けられる運動を心掛けてみましょう。