古くから食べられている大豆ですが、そのダイエット効果・健康効果は、食生活の乱れた現代人のお悩み解消に役立つものばかりです。
食物繊維と大豆オリゴ糖
あなたの便の状態はどうですか? 毎日、かたくもゆるくもない、ちょうどいい便が出ていれば、あなたの腸の状態はおおむね良好と考えることができます。下痢しがち、便秘がちな人、便が出てもかたかったり水っぽい場合には、残念ながら腸内環境が悪化している可能性があります。
腸内には100兆個を超える腸内細菌が存在していて、大きく、健康に役立つ善玉菌、毒素などを出す悪玉菌、日和見菌という3つのグループに分けられます。善玉菌と悪玉菌はバランスが大事で、善玉菌が優勢であれば日和見菌がその味方について腸内がいい環境に保たれます。逆に悪玉菌が優勢になると日和見菌がそちらの味方をすることになり、悪玉菌が出す毒素が体にダメージを与えます。 善玉菌を活性化して腸内環境の改善に役立つのが、食物繊維と大豆オリゴ糖です。どちらも善玉菌のエサとなり、腸内環境の改善に役立ちます。
とくに、水溶性食物繊維は善玉菌のエサとなって、内臓脂肪の蓄積を防いで燃焼を促す働きをする短鎖脂肪酸の材料となります。 意外に知られていませんが、大豆にはオリゴ糖が含まれています。オリゴ糖には何種類かあるのですが、大豆オリゴ糖は胃などで吸収されることなく大腸まで届くのが利点です。食物繊維やオリゴ糖で腸内の善玉菌が活性化すると、免疫力が高まるだけでなく、腸の炎症も抑えることができます。
大豆イソフラボンには動脈硬化予防やがんの予防効果も
大豆には、食物繊維をはじめとしてさまざまな有効成分があることをご紹介しましたが、もっともよく知られている成分は大豆イソフラボンでしょう。ポリフェノールの一種で、化学構造が女性ホルモンのエストロゲンに似ていることから、女性の健康維持に役立つと言われています。
しかも、大豆イソフラボンの恩恵は、女性だけでなく男性にももたらされます。その代表的な効果を紹介しましょう。 動脈硬化予防 動脈硬化の進行に関わっているのが悪玉(LDL)コレステロールです。
血液中のLDLコレステロール値が高いと、動脈硬化が進行して、心筋梗塞や脳卒中のリスク高くなることがわかっています。LDLコレステロールは数値が下がりにくいのですが、大豆イソフラボンにはLDLコレステロールを低下させる働きがあります。
がん予防
国立がん研究センターの調査で、大豆を毎日食べると乳がんの発症率が減ることが明らかになり、大豆の抗がん効果が注目されています。この調査では、約2万人の女性を対象としていて、大豆、豆腐、油揚げ、納豆を毎日食べている女性は、乳がんの発症率が2割減っていました。
特に、閉経後の女性は大豆イソフラボンをたくさん摂るほど、乳がんになりにくいという結果が出ています。大豆イソフラボンの血中濃度が高い閉経後の女性では、乳がんの発症が半数以下に減っていて、大豆イソフラボンの影響がとても大きいことがわかります。
大豆には大豆イソフラボン以外にも、抗酸化作用が強い大豆サポニンや大豆レシチンなどが含まれていて、これらもがん予防に役立っていると言われています。
エストロゲンは女性だけでなく、男性の前立腺がんの予防にも役立ちます。国立がん研究センターが約4万3千人の男性(61歳以上)を対象として行った調査によると、大豆の摂取量がもっとも多いグループの前立腺がんの発症率は、もっとも少ないグループに比べて半分であることがわかっています。
近年、日本人男性の前立腺がんの増加が指摘されています。その理由として、血液検査による簡便な検診の普及もありますが、治療を要するような進行した前立腺がんは欧米に比べると少ないです。前立腺がんは、男性ホルモンが過剰に働くことが影響するのですが、大豆イソフラボンを摂ることで男性ホルモンの働きが抑えられ、微少ながんができたとしても進行しにくくなると考えられています。すなわち、大豆を日常的に食べる日本人の習慣が、男性を前立腺がんから守ってくれる可能性があるのです。
私も孫に勧められて豆乳を嗜むようになりました。
慣れてくると牛乳のような味わいがありつつお腹にも優しいということで重宝しております。
このような効果もあるということでありがたいかぎりです。