80代の毎日覚書

孫に教わりながら日々挑戦、健康などに役立つ話を覚え書きしていきたいです

その「ひどい肩こり」は椎間板ヘルニアかも…頸椎でも発症、せきやくしゃみで悪化する

ヘルニア(hernia)とは、抵抗の弱った部分から臓器や組織が脱出する状態である。

わかりやすい例を挙げるならば、俗にいう“脱腸”の「鼠径(そけい)ヘルニア」、腹部の手術後にみられる「腹壁瘢痕(はんこん)ヘルニア」などである。椎間板ヘルニアでは、椎間板(背骨を構成する椎体(ついたい)と椎体の間でクッションの役目を担っている)の中央よりやや後方にある髄核(ゼラチンのようないわゆる椎間板の“芯”。周囲は線維輪と呼ばれる組織に囲まれている)が、線維輪の亀裂から脱出するか、髄核が線維輪や軟骨板を伴って膨れ上がり、神経根や脊髄を圧迫する。

 

 

頸椎椎間板ヘルニアは、40~50歳代の男性に多い(腰椎椎間板ヘルニアよりも10歳年齢層が高い)。椎間板ヘルニアというと、腰のものだと思われがちであるが、頸椎にも多く発生するのだ。

 

後外側へのヘルニアでは、神経根症としての症状、つまり障害を受けている神経が支配する部位に痛みやシビレをきたし、せきやくしゃみで悪化する。鼻をかむことすらつらいのである。

 

一方、中央へ飛び出すヘルニアでは、脊髄の圧迫によって脊髄症としての症状を引き起こすことがある。腕のしびれと巧緻(こうち)運動(手先を使う細かい作業)障害、さらには脚のしびれ、歩行障害(脊髄性間欠性跛行(はこう))、場合によっては直腸膀胱(ぼうこう)障害(排便と排尿の障害)などを生じる。

 

 

  診断にあたっては、私も受けた頸椎MRIが有用である。肩こりがひどい患者さんで首のMRIを撮ると、高い確率で頸椎椎間板ヘルニアがみつかるのだ。

その他、椎間板造影で痛みが再現すれば、その椎間板が原因となっていることが確定できる。また、この際に、局所麻酔薬と副腎皮質ステロイド薬の混和液を注入しておくと、神経根周囲の炎症を軽くする効果がある。

 

 

 神経根症に対してはまず保存的治療を行う。全身安静と牽引療法、ポリネックの使用、ガバペンチノイド(抗てんかん薬の仲間)の処方などである。

星状神経節ブロック、腕神経叢(そう)ブロック、頸部硬膜外ブロック、神経根ブロックなどによって対処している。これらの治療の効果がなく、高度のまひを伴うものや、脊髄症の一部では、手術の適応となることもあるが、術後に多くみられる「フェイルドネックサージャリー症候群(頸椎の手術後に痛みが残存したり、再発したりする状態)」の発生は避けなければならない。