90歳の毎日覚書

孫に教わりながら日々挑戦、健康などに役立つ話を覚え書きしていきたいです

医師に聞く ピロリ菌を減らすヨーグルトって本当に効き目があるの?

 「ピロリ菌に効く」といった謳い文句のヨーグルトを最近よく目にしますが、実際に効果があるのでしょうか。ヨーグルトを食べるだけで胃内のピロリ菌がいなくなることは本当にあり得るのでしょうか。

 


 結論から言うと、ヨーグルトの定期的な摂取で、胃内のピロリ菌を減らすことは可能です。ただ、間違ってはいけないのは、すべての菌を除菌することができるというわけではない点です。

あくまで減らすことができるだけで、ヨーグルトはサポート的な役割を担っています。また、すべてのヨーグルトに効き目があるわけではなく、ある菌が含まれているヨーグルトを摂取した場合に効果があります。

 

 

 それは「乳酸菌OLL2716株」という菌です。

この菌は、胃酸のある胃の中でも、ほかの菌に比べて増殖能が優れていると言われています。そして、ピロリ菌に対して殺菌作用を発揮したり、ピロリ菌が胃粘膜細胞に接着するのを阻害したりします。ピロリ菌は胃粘膜細胞に接着すると増えるのですが、乳酸菌OLL2716株がそれを防いでくれます。

 

 

 1日2カップ「乳酸菌OLL2716株」を含んだヨーグルトを摂取する生活を8週間続けた結果、ピロリ菌の活動が抑制されたという研究結果があります。そのため、「1日2カップを8週間以上」がひとつの目安になるのではないでしょうか。なお、胃内にピロリ菌がいない人が摂っても大丈夫です。

 

 

 ただしヨーグルトだけでは完全にピロリ菌を除菌することができません。あくまで、サポート的な役割であると認識するといいと思います。

ただ、少し前の除菌レジメン(治療計画)での併用ではありますが、除菌治療の3週間前からヨーグルトを食べることで、除菌成功率が69.3%から82.6%に上がるという報告もあります。今後、除菌治療の予定がある人は、3週間前から摂取してみるのはいいかもしれません。

 

 

 ピロリ菌に感染している人は、していない人と比べて、胃がんの発生頻度が100倍以上とされています。除菌後も未感染の人と比べて数十倍、胃がんになりやすいので、除菌後も定期的な内視鏡検査を受けることを推奨します。