90歳の毎日覚書

孫に教わりながら日々挑戦、健康などに役立つ話を覚え書きしていきたいです

認知症患者の「収集癖」に対する具体的な対処法は?

認知症になると、チラシやトイレットペーパーなど、特定の物を集める「収集癖」の症状が現れるケースがあります。周囲からすると一見不要な物を集めたり隠したりするので、同居する家族は捨てたくなるでしょう。しかし、認知症の方は何かしら価値がある物と認識し収集しているので、家族が捨てようとすると激しく怒ります。

 

 

 認知症に「こだわりの法則」と呼ばれる特徴があります。ひとつの事柄に集中するとそこから抜け出せず、周囲が説明や説得を試みたり否定したりするほどこだわりが強くなるのが特徴です。この症状は約半年から1年で落ち着きますが、たまっていくうちに家が不衛生になるのでは、と心配する人も少なくないでしょう。

 

 

 収集癖の症状を抑えようと家族が真摯に説得しても、こだわりが消えるまでは解決が難しいです。ただ、「一手だけ先手を打つ」と、症状からくる介護負担は軽くさせられます。

 

 実際に家族から受けた相談の例を挙げると、役所にあるパンフレットをリュックに山ほど詰めて持ち帰ってきて、見つけた妻が捨てようとすると大騒ぎ。お金をかけてパンフレットを出している人に申し訳なく感じ、困っているといった内容でした。そこで提案したのが、外出前に事前に紙をリュックに何枚か入れておくという案です。以降、取る量は減り、時間の経過とともにこだわりの症状も収まって収集しなくなりました。

 

 

 一方で、郵便物にこだわりを示す方もいました。不要なチラシだけでなく、重要な役所からの書類を集めて部屋のどこかに隠してしまう。書類がなくなるたびに、家族は役所に連絡しなくてはならず、対策を考えたいとの相談でした。

その方は一軒家で暮らしていたので、郵便受けをもうひとつ設置し、郵便配達員には新たに作った郵便受けへの投函をお願いしました。ただ、郵便物に強いこだわりを持っている認知症の方は、郵便受けに一通も入っていないと不審に思います。家族は郵便物を確認したのち、元々の郵便受けに不要なチラシを入れ直し書類の紛失トラブルを解決しました。

 

 こだわりから生じる収集癖の症状は長くは続きません。安全面や衛生面に問題がなければ、無理に解決しようとせず、「このままにしておいても良いのでは」と発想を転換し、うまく割り切るのもひとつの方法です。

 

 

 

 

よく同居してもらっている孫にチラシなど私室にゴミが溜まっているから捨てるように言われることがございます

私としては必要だから置いているのですが、この記事を見て自分の行いと重なる部分を感じております