90歳の毎日覚書

孫に教わりながら日々挑戦、健康などに役立つ話を覚え書きしていきたいです

抗生剤をミネラルウォーターで飲んではいけない?必ず飲みきらなければいけない理由

抗生剤は、抗生物質や抗菌剤とも呼ばれ、細菌による感染症に使われるため、一般の方にとっても馴染みのある薬の一つといえるでしょう。


抗生剤を処方されたとき、医師や薬剤師から「抗生剤を〇〇日分お出ししますので、症状がおさまっても服用をやめずに、すべて飲みきってください」などと服用上の指示があるはずです。
しかし、風邪薬や鎮痛剤のように「症状が収まったなら無理に飲み続ける必要はない」、「もったいないから余った薬は保管しておこう」などと考える方もいるかもしれません。


それでは、なぜ抗生剤は処方された量をすべて飲みきらなければならないのか、この記事では、抗生剤を飲みきる理由や抗生剤を使用するときの注意点などについて解説します。 

 

■抗生剤を飲みきらなければいけない理由

抗生剤は、病気や症状の原因となる細菌(病原菌)を殺す薬です。抗生剤を正しく服用していれば、病原菌が死滅していき症状は改善に向かいます。
しかし、例えば5日間飲むべき抗生剤を症状が良くなったからといって3日でやめてしまった、本当は1日3回飲まなければいけないのに1日1回しか飲まなかったなど、抗生剤の服用を途中でやめたり量を減らしたりすると問題が起こります。


それは、体内に残っている病原菌が、抗生剤に殺されないように細胞膜を強くしたり、抗生剤から出される毒を排出しやすくしたり、DNAを変異させて抗生剤が効かないようにしたりして、自らの性質を変えて生き残る細菌が現れるのです。こうした細菌を「薬剤耐性菌」といいます。


薬剤耐性菌には抗生剤が効かないため、耐性菌がどんどん増えていき、病気や症状がぶり返したり、別の病気を引き起こしたりするようになります。処方された抗生剤をすべて飲みきらなければいけない理由は、こうした薬剤耐性菌ができるのを防ぎ、病原菌を完全に死滅させる必要があるからです。 

 

 

■抗生剤を飲むときの注意点

抗生剤にはさまざまな種類がありますが、飲み合わせによっては、薬の効き目が悪くなることがあります。次のような飲み物やサプリメントなどを飲む際には注意が必要です。

■■牛乳
牛乳に含まれるカルシウムは抗生剤の成分と結びつき、薬の吸収率が低下することがあります。例えば、テトラサイクリン塩酸塩という抗生剤の場合、大さじ1/2程度のごく少量の牛乳でも効き目が半分以下になるという報告があります。

■■青汁
青汁に含まれるビタミンやミネラルも抗生剤との相性が悪い場合があります。とくにニューキノロン系やテトラサイクリン系という抗生剤の効き目を悪くすることがあります。

■■ミネラルウォーター
基本的に薬は水かぬるま湯で飲むことになっていますが、ミネラルウォーターは例外です。とくに硬水といわれるミネラルを多く含んだ水は、抗生剤の成分がミネラルと結合し、効き目が低下することがあります。抗生剤を服用する時は、水道水か硬度の低い軟水で飲みましょう。

■■アルコール
抗生剤の服用中にアルコールを飲むと薬がアルコールの分解を妨げ、めまいや吐き気、心拍数の上昇、血圧低下などの症状が起こることがあります。とくにセフェム系という抗生剤で起こりやすいため、お酒を飲む場合は、どのくらい時間を空ければ良いのか、医師や薬剤師に確認しておきましょう。

■■オレンジジュース
マクロライド系抗生剤のドライシロップや小児用の細粒は薬の苦味を防ぐためにコーティングがされおり、口の内で溶けにくくなっています。オレンジジュースなどの酸性飲料で服用すると、薬の苦味が増すことがあるので子どもに抗生剤を飲ませるときには注意しましょう。

 

 

 

■抗生剤を飲み忘れた場合

もし、抗生剤の飲み忘れた場合、気づいたときに飲み忘れた分をすぐに飲んで下さい。ただし次の服用時間が3時間程度以内に迫っている場合には、1回分抜かしてその次からいつものように飲んで下さい。
抗生剤を1回分飲み忘れたからといって2回分を一緒に飲んではいけません。それは薬が効きすぎたり、副作用が増えたりする恐れがあるからです。
最近では1日3回食後に飲んだ方が効果のあるものや、1日1回の服用で一日中有効な血中濃度を保つ抗生剤も開発されています。薬を処方されたときに、医師や薬剤師に飲み忘れてしまった場合の対処法を確認しておくと良いでしょう。

 

■まとめ

抗生剤の服用を途中でやめると薬剤耐性菌という抗生剤が効かない細菌が現れることがあります。そのため処方された薬はすべて飲みきるようにしてください。また、抗生剤を使用するときは飲み合わせに注意して、水道水かぬるま湯で飲むようにしましょう。
抗生剤は決められた量や回数、服用間隔を守って使用することで効果が発揮されます。医師や薬剤師の指示や注意に従って、正しく使用することが大切です。