アニサキスは寄生虫(線虫)の一種で、サバ、アジ、サンマなどの魚介類の内臓に寄生する。魚介類の鮮度が落ちると、内臓から身の部分に移動するため、その身を食べると胃や腸の壁に刺さるように侵入し、食中毒(急性胃アニサキス症)を引き起こす。
急性胃アニサキス症は、食後数時間から十数時間でみぞおちの激しい痛みや吐き気を引き起こし、腸壁に入った場合は腹膜炎を起こす恐れもある。効果的な治療薬はなく、内視鏡で粘膜に付着したアニサキスを摘出する方法が一般的だ。
厚生労働省によると、国内では今年、アニサキスによる食中毒が5月2日までに87件(速報値)発生。さらに、広島市内では同月10日、スーパーで購入したサバとアジを自宅でさばき、シメサバや刺し身にして食べた男性が食中毒を発症した。男性は腹痛や吐き気、発熱などの症状が出たという。
アニサキスによる食中毒には、▽生魚を60度で1分以上加熱する(70度ならすぐに死滅)▽マイナス20度で24時間以上冷凍する――などの予防方法がある。魚の内臓を除去する際、目視でアニサキスが確認できることもあり、見つけた場合は刺し身や塩漬けで食べないなどの注意が必要になる。
一方、厚労省によると、全国の食中毒全体の件数は2021年に717件と、過去20年では最も少なかった。新型コロナウイルス禍による飲食店の営業時間短縮などが影響した可能性がある。
ただ、外出自粛などによって自宅で調理する機会が増えれば、アニサキスの食中毒は増える恐れがあり、市保健所の担当者は「アニサキスは食酢などでは死なないため、飲食店関係者や自宅で調理する人は、正しい方法で予防してほしい」と話している。
主人や私はありがたいことに一度もこのような症状に見舞われたことはございませんでした。
ですが娘2人はそれぞれでこの食中毒に当たったと聞いております、日本人として生魚をよく食卓に並べるうえで仕方のないことなのかもしれませんが、注意するにこしたことはございません。