Q.一見同じような肥満体形でも、「肥満症」に該当する場合とそうでない場合があります。「肥満」と「肥満症」の違いは一体何でしょう。
A.「肥満」のうち、肥満に関連する健康障害がある場合を「肥満症」と定義する です。
●肥満による健康障害がある人が「肥満症」
「肥満」と「肥満症」の違いは何か、自分は「肥満」と「肥満症」のどちらなのか。気になる人は多いでしょう。
日本肥満学会では、2000年に「肥満症」のガイドラインを策定。この2つを区別した理由を「体重を減らすことにメリットがある、つまりやせるべき人を選び出す」ためだとしています。
具体的に、最新の「肥満症診療ガイドライン2022」では、「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積している状態で、BMI(*1)が25以上である場合」を「肥満」と定義。その中で「肥満に起因ないし関連する11の健康障害(表)を合併している場合」を「肥満症」としています。同様に、BMI35以上を「高度肥満」、その中で健康障害を合併している場合を「高度肥満症」としています。
健康障害を伴っていなくても腹部CT検査などで内臓脂肪面積が100平方cm以上あり、内臓脂肪型肥満と診断される場合も、将来、合併症を伴うリスクが高いため「肥満症」や「高度肥満症」と診断されます。
「肥満症」の考え方を医療の現場に取り入れる意義は、肥満に関連する病気にその大元からアプローチすることにあります。今は高血圧、糖尿病、高尿酸血症などに対する優れた治療薬があるので、それらを利用することで高血圧などの改善を図ることはできます。
しかし、高血圧の薬は血圧を下げるだけ、糖尿病の薬は血糖値を下げるだけで、根本的な治療とは言えません。それに対して体重を適正化すれば、複数の病気を改善できるほか、新たな病気の発症を予防することができるのです。
体重の適正化が、なぜ多くの病気の改善につながるのかというと、体の脂肪組織からは善玉物質と悪玉物質が放出されており、肥満、特に内臓脂肪が蓄積した状態になると悪玉が増えるからです。
善玉物質の代表はアディポネクチンやレプチンと呼ばれるもので、インスリン(血糖値を一定に保つ働きを持つホルモン)の働きを正常に戻したり食欲を抑えたりすることで糖尿病や動脈硬化を予防する働きがあります。
それに対してTNF-α、PAI-1(パイワン)、レジスチンなどの悪玉物質は、インスリンの働きを抑制したり、免疫細胞である白血球を呼び寄せることで体内に小さな炎症を起こし、糖尿病や動脈硬化、各種炎症疾患を引き起こしたりします。つまり、体重の適正化を行うことで、さまざまな病気のもとを断つことができるわけです。
今はさまざまな薬や治療法が存在します。自分で努力しても減量がうまくいかず、高血圧や糖尿病などの状態が改善しない場合は、肥満症治療に取り組んでいる医療機関に相談しましょう。
私も主治医のお医者様からやや肥満気味であると言われておりますので、こういった記事はどうしても気になってしまいます
ただ、お医者様は軽度の肥満であれば長生きの助けになることもあると仰ってくださっているので今までどおり自分の身体とうまく付き合っていければよいと考えております