膝の裏が痛いのはなぜ?
「膝の裏が痛む」「膝周辺に腫れなどがある」「膝が痛み、安定せずぐらぐらする」「膝が動かしにくい」など、膝の裏の痛みの症状はさまざまです。
膝の裏が痛む原因には、大きく分けて2通りの可能性が考えられます。
・日常生活での原因
・病気によるもの
原因はなんにせよ、膝の裏に痛みが起こると歩行が難しくなり、外出が億劫になってしまいがちに。膝の裏の痛みを我慢したり、放置していると運動不足や筋力の衰え、体力低下につながってしまうため、原因を突き止め、適切な治療を行うことが大切です。
膝の裏の痛みは、日常生活での負担によるものではなく、なんらかの病気が原因となって引き起こされている可能性もあります。
■反張膝
反張膝(はんちょうひざ)とは、膝が逆に反っている状態のことです。過度に膝の裏が伸ばされることで、痛みが起こります。
普通、膝はまっすぐですが、以下のような特徴のある人は、膝が逆に反った反張膝の可能性があります。
・重心がかかとに偏っている
・膝を支える筋力が弱い
・膝が反る姿勢を取ることが多い(バレリーナのようなつま先立ちの姿勢など)
■変形性膝関節症
変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減っていき、炎症が起こる進行性の病気です。加齢による軟骨の劣化、筋力の低下、肥満による膝への負荷などが原因となって引き起こされ、60代以上の女性に多く見られます。
初期は膝を動かすときに痛みますが、進行すると安静にしていても痛むことがあります。立つ、座る、しゃがむ、歩行、階段の昇降などの動作が痛みによって困難になり、日常生活に支障をきたすケースも。
初期であればヒアルロン酸注射や筋力トレーニングなどの保存療法で治療しますが、中期や末期になると人工関節手術を検討しなければいけないこともあるため、早めの治療が大切です。
変形性膝関節症は簡単なチェックリストで自分の状況を確認してみましょう。
■関節リウマチ
関節リウマチは、免疫の異常によって関節に存在する滑膜に慢性的な炎症が起こる病気です。
痛みの他にも腫れ、こわばり、発熱などの症状が見られ、進行すると関節の変形や、骨の破壊が起こることがあります。
■深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)
深部静脈血栓症はエコノミークラス症候群とも呼ばれ、長時間同じ姿勢を続けることで足の血流が悪くなり、深部静脈に血栓ができる病気です。
ふくらはぎが痛むことが多いですが、血栓の場所によっては膝の裏が痛むことがあります。
足の痛みや腫れ、皮膚の変色などが片足のみに起こった場合、深部静脈血栓症の可能性があります。また、深部静脈血栓症では息苦しさも起こります。
深部静脈血栓症は最悪の場合、命にかかわることもあるため、乗り物に乗ったときなど長時間同じ姿勢を続けた後で異常が見られた場合は、すぐに病院を受診しましょう。