PDT治療は30分であっけなく終了
がん治療は未だ「壮絶な」といった枕詞付きで語られることが多いが、数あるがんの中でも死亡率が高いことで知られる「肺がん」にはだいぶ前から、30分程度の治療時間で済み、しかも超低侵襲(ていしんしゅう)、即ち患者の体へのダメージが非常に少ない画期的な治療法が開発されている。
その名は「光線力学的治療(PDT)」。レーザーを用いる治療法の一つで、美容の分野では「フォトダイナミック・セラピー」の呼び名で知られている。
レーザーといっても、レーザーメスのように熱で病巣を焼き切るものではない。光に反応する薬剤(光感受性物質)を体内に投与し、手をかざしてもほとんど熱さを感じない程度の低出力レーザーを照射。その際に生じる化学反応を利用して、がん細胞を壊死させたり、縮小させたりする治療法だ。
早期の肺がんはもう怖くない
さて、「こんなに簡単に治療できるのなら、早期に発見できさえすれば、肺がんはもう怖くない」と言い切ってもよさそうなものだが、現実には、PDTはあまり普及していない。読者も、「ぜんぜん知らなかった」という人が多いのではないだろうか。
それもそのはず、現状PDTは年間100~200件しか行われていない。2018年に肺がんと診断された人の数は12万2825人。その中で中心型肺がんに分類される患者の数は10~30%。
これらの人全員を早期に発見できたなら、1万人以上がPDTを受けてもおかしくないのだが、この優れた治療法の恩恵を受けている人はあまりにも少ない。理由は、肺がん検診の受診者が少なく、早期発見が難しいこと。また、PDTの存在を知っている人自体、限られているからだと言われている。
「認知が広がらないのは、肺がんのなかで最も多い腺がんを治療できないことから話題になりにくいこと。加えて、中心型肺がんの最大の要因とされる喫煙人口が減少していて、患者自体が減っているためです」
医療の進歩が目覚ましく、素晴らしい時代になっていることを実感します
50年以上昔にはなりますが私の親類にも肺がんで亡くなった者が少なからずいたのでこれからはそういった不幸に見舞われる方も減っていき孫やさらにその子供の世代がより生きやすくなれば私も安心できます