「食べる」「話す」といった生きるために不可欠な口の機能を支える重要な器官が「歯」。「昭和の時代に比べると日本人の歯は明らかに長持ちになってきたが、自前の歯の数は60代から減り始め、長くなった平均寿命に追いついていない。その原因が歯周病と虫歯。なかでも歯周病は原因の1位を占める」と言う
歯周病が引き起こす炎症は全身の老化を促進する糖尿病とも密接に関わる。歯周病は糖尿病を悪化させ、糖尿病もまた歯周病を悪化させることが明らかになっている。広島県で行われた研究では、糖尿病患者が歯周病の治療をすることによって炎症の指数が減少している。
今や歯周病は糖尿病の合併症である網膜症や腎症、神経障害、足病変、動脈硬化性疾患と並ぶ「第6の合併症」とも呼ばれる。
「歯周病を治療し、口腔内の炎症を抑制すると、血糖値上昇の原因になるインスリン抵抗性にも改善がみられる。糖尿病専門医の中には『歯周病治療を行うと、糖尿病の薬を1種類減らせる』と言う人もいる」
さらに健康長寿面で注目したいのが、老化とともにそのリスクが増す認知症との関係だ。台湾で50歳以上の歯周病患者9291人と健康な1万8672人を10年間追跡した調査では、慢性歯周炎のある人は、ない人と比べてアルツハイマー病の発症リスクが1.7倍に高まっていた。
アルツハイマー病で死亡した患者の脳組織からはジンジバリス菌という歯周病菌が検出されたが、正常な人の脳組織では検出されなかったという報告もある
歯周病を引き起こす歯周病菌は全身を巡り、病気の発症や重症化に関係しているようだ。「未解明のことも多いが、はっきり言えるのは歯垢をできるだけ減らし、きれいな口を維持しておくことが最良の対策。
正しい歯磨き習慣はもちろん、定期的に歯科でクリーニングを受けることをお薦めする」と天野教授。歯磨き時に出血するなど気になる症状があったら放置せずに歯科を受診し、生活の質の維持に直結する口腔の健康を守りたい。
この記事と私の健康具合に関係あるかはわかりませんが、ありがたいことにこの歳でも
歯を20本ほど残せており、歯医者さまにもお褒めいただいています
亡くなった主人は若い時分から虫歯が多く、80を過ぎるころにはほぼ歯が残っていなかったことが記事にあるのような認知症にもつながったのかもしれません。