暑い夏から涼しい秋になると、気分が落ち込みやすくなったり、体がだるくなって疲れが溜まりやすくなることはありませんか? それは季節性のうつ病である、いわゆる「秋うつ」かもしれません。
秋うつの原因と、うつになりやすい人の傾向
「季節の変わり目はうつになりやすいと昔から言われています。 “秋の日は釣瓶(つるべ)落とし”というように、秋になって気温が下がって涼しくなり、日が早く沈むことで、もの悲しく憂鬱な気分になりがちです。秋はうつ病になりやすい季節として注意しなければなりません」
関係しているのは日照時間の減少です。日光を浴びると、脳内では“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンが生成されますが、秋になり日照時間が減り、セロトニンの生成量が減ってしまうことで、気分が落ち込み、うつ病になりやすくなるといわれています。
ほどなく症状が改善することもありますが、毎年のように繰り返し、日常生活に大きな影響が出るケースも少なくないそうです。
「うつ病の症状は、気分の落ち込み、悲哀感、意欲の低下、悲観的思考、不眠、早朝覚醒などがあります。うつ病というと心の病気と思われがちですが、同時に体もつらくなり、全身がだるくなります、とにかく無理をしないこと」
「その予兆を感じたら、無理をしてはいけません。うつになりやすい人は、真面目で頑張り屋さん。周囲からよく見られたい、という欲望も人一倍強い傾向があります。ですから無理をして頑張りすぎてしまい、うつ病が悪化してしまうことがあります」
体をゆっくり休めることが、うつ病の予防になるのです。
食事で「秋うつ」を予防する
では、これから秋が本格化する前に「秋うつ」を予防するにはどうしたらいいのでしょうか?
「うつ病を防ぐには、脳内のセロトニンを増やすことが有効です。今の抗うつ薬のメインはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)というタイプの薬で、脳内のセロトニンを増やす薬です。セロトニンを増やすには、セロトニンの原料となるトリプトファンという必須アミノ酸を増やす必要があります。トリプトファンは体内で生成されないので、食べ物から摂取するしかありません」
◆トリプトファンを含む「大豆」「乳製品」を
トリプトファンを含む食材でおすすめなのが、「大豆」と「乳製品」です。 「納豆、豆腐、味噌などの大豆たんぱくは、トリプトファンの含有量が多い。乳製品に含まれるカゼインもトリプトファンを多く含んでいるので、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどを食事に取り入れてください」
そのほか、ナッツ類もトリプトファンを含んでいます。また、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に含まれるスルフォラファンに、うつ予防の効果があるという研究データも報告されています。
昔は秋口に体調を崩し、気分が落ち込むことがございました
若い時分の私ももしやこの「秋うつ」だったのかもしれません、当時はうつ病というものがあまり馴染みのないものでしたが。