尿漏れや頻尿などの尿トラブル。尿トラブルは、大きく2つのタイプに分けられ、それぞれ治療方法が異なります。また、脳梗塞との関係も指摘されています。軽く考えないで、尿漏れと頻尿の対策を始めましょう。
「尿トラブルが自然に治ることはありません。でも原因を知って対策を始めれば、徐々に症状は治まります」
尿トラブルのタイプは、大きく分けて2つあります。タイプによって治療法が異なるため、まずは、自身のタイプを確認しておきましょう。
タイプ1 腹圧性尿失禁
おなかに圧力がかかると尿がもれるのが、腹圧性尿失禁
症状
せき、くしゃみ、 重いものを持ち上げる、 笑う …… などで尿がもれる
タイプ2 過活動膀胱
我慢できない尿意に突然おそわれるのが、過活動膀胱です。過活動膀胱による失禁は、切迫性尿失禁といいます。
症状
トイレに行く途中でもれる
昼間、8回以上トイレに行く
夜間に1回以上、トイレに起きる
冷たい水を触ると、尿意を感じる
「50歳以上の女性に目立つのは、腹圧がかかったときに尿がもれる『腹圧性尿失禁』タイプ。出産や加齢で、尿道が緩み、閉まらない水道の蛇口のようになっていることが原因です」
もう一つは、急に尿意をもよおし、尿をもらしてしまう過活動膀胱による「切迫性尿失禁」タイプ。
「100~200mlほど大量の尿が出てしまうのも、このタイプの特徴です」
強い尿意を感じ生活の質が落ちてしまう病態です。脳や脊椎に原因のある「神経因性過活動膀胱」と、神経に障害のない「非神経因性過活動膀胱」があります。
「加齢による尿漏れや頻尿だと思っていたのに、実は脳梗塞や脳卒中という怖い病気の予兆だったというケースもあります。尿漏れを軽く考えてはいけません」
さまざまな原因が考えられる尿トラブルですが、最も多い原因は、骨盤内の臓器を支える骨盤底が加齢などによって緩むことです。
骨盤底筋は、骨盤内にある膀胱、子宮、直腸などの臓器を支えている大切なプレートで、筋肉、靭帯、筋膜、皮下組織でできています。
女性の骨盤底筋には、尿道、膣、肛門の3つの開口部が1か所に集まっており、排尿や排便をコントロールし、出産時には産道を伸び縮みさせています。そのため、骨盤底筋が緩むと、尿漏れなどの問題を抱えやすいのです。
けれど毎日、骨盤底筋を鍛える体操を実践することで、再び若い頃のような締まりを取り戻すことができます