口内炎とは、口内の粘膜が炎症を起こすことで、その要因として「局所的」または「全身的」なものがあります。
局所的とは口腔内の問題で、たとえば歯並びが悪いと、食事のときに口内の粘膜を巻き込んで噛んでしまったり、飛び出している歯が粘膜を刺激して傷ができます。そこから細菌が入って炎症を起こすのです。
また、入れ歯を清潔に扱ってなかったり、虫歯治療の銀歯による金属から起因したアレルギーで口内炎を起こすこともあります。
全身的な原因とは、糖尿病、ストレス、偏食、貧血といった口腔以外の不調によるものです。持病の服用薬が影響する場合もあります。免疫抑制剤やステロイド、降圧薬、睡眠薬などには唾液を抑える成分が含まれており、粘膜の再生を妨げるので傷ができやすくなります。
口内炎がすぐできるという方は、歯科医院または持病のかかりつけ医を受診し、原因を追求する必要があります。銀歯をセラミックに替えたり、飲み薬を見直してみることで、口内炎ができなくなった患者さんはたくさんいます。
ただし原因と思われるものを処置してから、2週間様子を見て改善されなければ、専門病院を受診してください。口内炎が、大病のサインであるケースもあるからです。通常、口内の粘膜は2週間あれば再生しますから、目安になります。
たとえばがんの初期症状の場合、舌や口の中の粘膜が荒れていたり、ただれた状態になります。また、頻繁に口内炎ができる人は今は問題なくても、対処せずに放置していると20~30年後にがん化するリスクもあります。
ほかにも「扁平苔癬」という慢性炎症性疾患である可能性もあります。難治性口内炎のひとつで頬粘膜の両側に白い網状の病変を形成することがあるのです。難治性と診断された方は、熱いものや辛いものを食べたり、会話で粘膜に刺激を与えると痛みを感じ、一生付き合う人もいます。
日頃から口内炎ができやすい人は、食事時に緑黄色野菜、ビタミンA、B、C、Eを摂取し、十分な睡眠とストレスをためないように意識しましょう。