お正月に欠かせない「お餅」。お正月にいただくつきたての餅は、格段に美味しいですよね。そんなお餅ですが、よく噛まないうちに飲み込んで、喉に詰まりそうになったことはありませんか? 私も、餅をしっかりかんでいないまま飲み込んだときに、喉をつまらせそうになったことが何度かあります。
実は、消費者庁が人口動態調査から行った分析から、高齢者における「餅」による窒息死亡が1月に集中して発生しており、元旦を中心とした三が日に死亡している件数が特に多いことがわかっています。
餅だけに限りません。年間の「気道閉塞を生じた食物の誤えん」による死亡者数は、65歳以上が全体の9割ほどを占めているのです。人口動態調査における、不慮の事故の「その他の不慮の窒息」のうち「気道閉塞を生じた食物の誤えん」による死亡者数によると、もっとも多いのは80歳以上です。ついで65歳から79歳、45歳から64歳と続きます。
食べ物や異物が、誤って気管に入ってしまった状態のことを誤嚥(ごえん)と言いますが、餅に限らず食べ物を誤嚥することによる死亡は、高齢になればなるほど生じやすいのです。どうしてなのでしょうか。
1つ目に、咀嚼する力の低下です。入れ歯になることで、あごを安定させる力が弱まり、かむ力が低下してしまいます。
2つ目は、唾液量の減少です。唾液自体の分泌も加齢とともに少なくなってしまうため、飲み込みにくくなってしまいます。
3つ目は、飲み込む力の低下です。飲み込む力の減弱により、喉に食べ物が残りがちになり、そんな状態で呼吸をすると、食べ物が食道ではなく、気管の方に入ってしまい詰まってしまうというわけです。
4つ目は、万が一、喉に食べ物が詰まってしまった場合に、咳をすることで押し返す力の低下です。
加齢に伴う口腔内や喉の機能の弱まりが、不慮の窒息に繋がってしまうというわけです。
毎年正月には雑煮を支度していただいておりますが、餅には気をつけろと家族に心配されております
明日の餅もしっかり配慮していただきたいと思っております