歯磨きは毎日ちゃんとしている、と自信を持っている人でも「歯ぐきのケアをしている?」と聞かれると、答えに詰まるかもしれない。
「25歳を過ぎると、虫歯よりもむしろ気にすべきが、歯ぐきの病気、歯周病」
「歯周病は口臭の原因になるだけでなく、歯ぐきに炎症を起こして歯を支える骨を溶かす。糖尿病など全身の疾患にもつながる。歯周病菌を抑えるには、健康な歯ぐきの維持が必須だが、それには歯を磨いているだけでは不十分」
と斎藤さんは指摘する。
・歯ぐきマッサージで口内環境が改善する理由
1. 血流が上がるため、歯ぐきの新陳代謝が促され、歯ぐきが引き締まる 歯ぐきを刺激することによって新陳代謝が活発になり、歯ぐきの細胞の再生スピードが高まる。「歯ぐきが丈夫になり、引き締まる。歯周ポケットの溝も縮まる」(斎藤さん)。 歯ぐきの新陳代謝が高まると、弾力が出て引き締まる。
2. 歯周病菌は酸素に触れると弱くなる 歯周病菌は、空気中の酸素を嫌い、酸素があると増殖しにくい「嫌気性菌」。「マッサージによって歯ぐきの血流を良くし、酸素を送り届けると、歯周病菌の増殖を抑えられる。歯周病によって生じる口臭も改善する」(斎藤さん)。
3. だ液の分泌を増やすため、口臭が消え虫歯も予防 口内にはだ液腺が広範囲に存在する。「歯ぐきマッサージをすると、同時にこれらのだ液腺も刺激できる。だ液が出ると口臭が弱まる。だ液には抗菌物質が含まれるので虫歯菌を撃退、歯の再石灰化も促し、虫歯予防にも」