90歳の毎日覚書

孫に教わりながら日々挑戦、健康などに役立つ話を覚え書きしていきたいです

日本だけ?「家の北側のトイレ」で倒れる高齢者が続出

真冬でもヒートショックの心配がなく、Tシャツ1枚で家中を歩き回ることができ、スッキリと布団から出られる家。それが欧米では当たり前の、本当の意味での高気密・高断熱住宅です。

 

しかし日本の高気密・高断熱住宅の多くは、実際に住んでみると、高気密・高断熱住宅というのは名ばかりで、まったく快適ではないことに驚かされます。このような住宅は残念ながら本物ではありません。

 

特に冬になると、部屋ごとの温度差が激しく、廊下や浴室の凍えるような寒さ、床の冷え冷えとした感触に悩まされる人が後を絶ちません。そんな家屋では、急激な温度差によって心臓や血管に負担がかかるヒートショックのリスクも高くなります。

 

エアコンやストーブが効いた暖かい部屋から寒い廊下に出ると、体がゾクゾクして震えあがります。これは、急激な体温の低下を防ぐため、体温を調節しようとしている証拠です。

 

ヒートショックは最悪の場合、脳出血心筋梗塞などの病気につながり、命を落としてしまうこともあります。特に高齢者や血圧の高い人、血管の病気を持つ人は注意しなければいけません。

 

ヒートショックを起こしやすい場所は、洗面所や浴室、トイレなどです。これらの場所は、日本では日当たりの悪い北側に配置されるのが一般的です。北側は日が当たらないだけにかなり冷え込んでしまい、真冬では暖かい部屋との温度差が14℃を超えることもあります。

 

また、全国の家における冬の寝室の平均室温は10℃、トイレの室温は約8℃といわれています。布団の中がだいたい30~32℃ですから、深夜トイレに起きただけでも、20℃以上の温度差を感じ、身震いを起こします。

 

これが冬の間毎日続くと、年齢問わず体に致命的なダメージを受けることになります。高齢者や体が弱っている人が血管系の病気を発症してしまうのも、無理のないことです。そのため、多くの家では体への負担を和らげるために、「前もって脱衣所・浴室・トイレをヒーターで暖める」「お風呂に入る前は、手足など心臓から離れている部分に『かけ湯』をする」「おじいちゃん、おばあちゃんは一番風呂を避ける」といった、涙ぐましい努力をせざるを得ないのです。