90歳の毎日覚書

孫に教わりながら日々挑戦、健康などに役立つ話を覚え書きしていきたいです

アトピー性皮膚炎のかゆみ抑える薬 京大など治験で効果

京都大などの研究チームは、アトピー性皮膚炎のかゆみを抑えるために開発された新たな薬の効果を、国内の治験で確認した。

 

 治験の結果を米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに9日、発表した。製薬会社は今後、この薬の承認をめざす。

 

 この薬は、中外製薬(東京都)が開発し、国内での特許使用権をマルホ(大阪府)が取得した「ネモリズマブ」。アトピー患者の皮膚では、免疫細胞が、かゆみを引きおこすたんぱく質を出す。このたんぱく質の働きを薬がブロックすることで、患者のかゆみを抑えるしくみだ。

 

 チームは、従来の治療の効果が低く、症状が重い国内の13歳以上の男女215人を対象に治験をした。ネモリズマブを注射するグループと、偽薬を注射するグループに分け、16週間、かゆみや症状の変化を調べた。

 

 その結果、かゆみは注射1日後から改善され、16週間後には10段階で申告するかゆみの程度が平均42・8%、皮膚炎の強さや湿疹の範囲などを評価する指標も同45・9%改善した。重い副作用はみられなかったという。

 

 今回の治験は、薬の承認に必要な3段階の治験のうち、最終段階にあたる。チームの椛島(かばしま)健治・京大教授(皮膚科学)は「短期間で効果が得られた。今後、小児への効果も検討したい」と話している。